ゴブランスカートへの愛。
「ゴブランスカート」との出逢い
媛がゴブランスカートというアイテムを初めて知ったのは、忘れもしないロイスクレヨン銀座メルサ店さんの店頭においてでした。
もう15年以上も前の話です。
今回はその出逢いから時を重ねて、ようやく媛がココロから愛せるゴブランスカートに巡り会えたお話をお送りします。
ロイスクレヨンさんのゴブランスカート
初めて手に取ったゴブランスカートはカーテンのような分厚い生地でできていて、それはそれは豪華なものでした。
ミモレ丈の上品さと、ベージュ、ブラウン、赤などさまざまな色を使っていながら派手ではなくひたすら美しいそのつづれ織りは、媛のココロをまっすぐにとらえました。
「きれいでしょう。ゴブランスカートっていうんですよ。」
店員さんにそう声をかけられて、思いっきりうなずいたのを覚えています。
「試着してみますか?」
そう言われてはいと答え、そのままこのゴブランスカートを手に入れることができれば、どれだけ幸せな気持ちになれたことでしょう。
けれども、チラリとスカートの裾から見えた値札に書いてあった価格は、当時の媛の収入ではどうしても手に入れることのできない金額が入っていたのです。
後ろ髪を引かれる想いで、媛はお店を後にしました。
ロイスクレヨン銀座メルサ店さんは媛の当時勤めていた会社の近くにあったので、媛は通勤のたびしばらくは、そっとショーウィンドーから見えるトルソーに着せられたゴブランスカートを眺める日々を送ることになります。
しかしそんな日は長くは続かず、ある日ゴブランスカートは店頭からなくなりました。
「やっぱりな」
街はそろそろセールで賑わいを見せていたのですが、ロイスクレヨンさんはセールをしないブランドだというのもこの時初めて知りました。
いつかはあのゴブランスカートをはける日が来るだろうか。
媛は溜息をひとつついて、その時はゴブランスカートをあきらめるしかなかったのです。
ゴブランスカート流行る
それから何年かたって、ゴブランスカートが流行り始めました。
CANCAM系のブランドからギャルブランド、原宿系のブランドのどこをのぞいても店内に1種類や2種類くらいはゴブランスカートがあり、価格も媛の手の届く範囲のものがほとんどでした。
媛は喜び勇んでラフォーレ原宿に向かい、今まで着たことのないブランドでゴブランスカートに合わせたコーデを一式揃えました。
ゴブランスカートは膝上のタイトスカートで、透ける素材のベージュのシャツに赤いニットのカーディガンを合わせ、赤のベレー帽をかぶって黒のラバーソウルで引き締めました。
ところが、あれだけ望んで買ったはずのゴブランスカートを使って創ったコーデなのに、媛は時が過ぎ行くにつれて、少しずつこのコーデに袖を通さなくなっていったのです。
元々タイトスカートは媛にあまり似合わないというのが第一にあるというのは薄々感づいてはいたのですが、初めて手に入れたゴブランスカートでどうしてこのようなことになったのかなかなかわかりませんでした。
しかし2019年3月に仕事をやめてみて、一番最初のブログにも書いたように媛のファッションには転機が訪れていたと知ったのです。
ズバり言うと、媛はもっと大人っぽく、品質の良い素材の洋服に惹かれるように気持ちが変わったので、原宿系全開の比較的子供っぽいコーデからは少しずつ遠のいてきていたと言えるでしょう。
媛はこの時から再び、「ゴブランスカート」でネットを検索するようになったのです。
検索、また検索の末にたどりついたものは
ゴブランスカートで検索をかけると、あの懐かしいロイスクレヨンさんのゴブランスカートがたくさん中古でオークションに出品されているのがいやでも目に入ります。
手ごろで状態も良さそうな上、価格も中古なので媛の手の届く範囲内におさまっているにもかかわらず、なぜか媛はオークションに入札する気にはなれませんでした。
また「あれほど欲しかったゴブランスカートなのになぜだろう・・・と自問自答する日々が続いたのです。
そんな矢先、2019年の秋・冬物のセールが開始されました。
今年はちょっと目先を変えて、早めにセールに参加してみよう!と媛は張り切って池袋ルミネへと向かいました。
そこで媛はとんでもないゴブランスカートと出逢ったのです。
これです。
何と緑色のゴブランスカートで形は媛に似合う台形、しかもロングスカート全盛の昨今には珍しい膝上丈となれば触手が動かないわけがありません。
見つけたお店はアンドクチュールさんでした。
早速試着をさせていただき、媛にはとても良く似合うのがわかったものの、サイズがひとつ大きいのが気になってしまいます。
結局その時は古着風のワンピースだけを買って、ゴブランスカートは後でアンドクチュールさんの別店舗に探しに行こう!と決意したのです。
後日媛はアンドクチュール大宮店さんに足を運びました。
すると媛のサイズのゴブランスカートはお店の在庫にはあるものの、B品なのでお客様には販売できない品物であることを知らされます。
店員さんが媛のしょげた顔を見てかわいそうに思ったのか、各店舗の最新の在庫を調べてくださいました。
すると、アンドクチュール有楽町店さんに在庫が見つかったというのです。
しかし最後の1点なので、今から有楽町店さんに足を運べば何とか手に入るかもしれない、という状況なのも併せて告げられます。
媛は有楽町店さんに行くことを決意しました。
電車の中でもはやるココロを抑えながらアンドクチュール有楽町店さんに走って辿り着くと、店頭でついに媛の望んだゴブランスカートがあるのを見つけます。
感動のあまり騒ぎながら試着すると、ゴブランスカートは媛に誂えたようにぴったりです。
ようやく媛が本当に大切に着ることのできるゴブランスカートに巡り会えた瞬間でした。
ゴブランスカートとのその後
媛は前に創った原宿系のゴブランスカートのコーデに感謝しながら断捨離し、すっきりとした気持ちで新しいゴブランスカートを家に迎えました。
1/29のプチプラコーデのブログに登場したROYAL PARTYさんのアシンメトリーニットに合わせて、こんなコーデを楽しんでいます。
靴は2/8のブログに登場した黒の厚底ブーツをはいて引き締め、縦長に見えるよう工夫もしています。
本当に好きな洋服というのは、身に着けるだけでここまで幸せな気持ちになれるものだとこのゴブランスカートは媛に教えてくれました。
これからも自分がココロから大切にできる洋服だけでクローゼットを彩っていこうと思います。