愛しの厚底靴。
厚底靴の流行に想うこと
媛が厚底靴を初めて意識したのは、安室奈美恵さんがファッションに取り入れているのを見てのことでした。
「身長のバランスを靴で微調整する方法もあるのか」と驚いたのを覚えています。
今日は媛が愛して止まない厚底靴についてあれこれ語りたいと思います。
若い時は手を出せなかった厚底靴
先ほどお話した安室奈美恵さんの厚底靴を見かけたころは、空前のギャルブームでした。
女子高生の中にはっきりと「ギャル」というジャンルの子たちが生まれ、その子たちが身に着けていたのがいわゆる「ギャルファッション」の走りです。
「POPTEEN」「EGG」などの雑誌がギャルファッションのお手本とされ、それを読んだギャルたちが洋服を求め、仲間を求めて集っていたのがマルキュー=109でした。
そして靴に目を向ければ、109にいるギャル向けの靴屋さんのエスペランサさんやR&Eさんにはこれでもかというほど厚底ブーツ、そして厚底靴がひしめいていました。
媛はそんなギャルブーム、女子高生ブームのさなかに大学生になってしまった自分を、どこか時代から取り残されたように当時感じていたのを覚えています。
「媛たちが高校生の時には女子大生ブームだった。それに憧れて女子大生になったのに、今度は女子高生ブームになったということは、媛たちの世代は一生世間からちやほやされることはないのかな?」
当時の想いを言葉で無理やり表現するならば、こんなことだったように思うのです。
媛は若いころは自分に自信がなく、まるで猫のように背中を丸め、下を向いて歩いてばかりいました。
つま先を上げて歩かないので靴はすぐにつぶれてしまい、足を痛めてしまうことも多かったのです。
厚底靴や厚底ブーツを手に入れれば足裏の痛みが軽減するだろうな、と思い当たってはいましたが、「厚底靴は女子大生の自分にはもうはけない靴」と決め込んで媛は背中を向けてしまいました。
バンドマンだしラバーソウルでしょ!
そんな媛でもバンド活動の折、衣装に似合う靴は何だろうと考え始めます。
普段はくデニムにも合って、足に優しくて、ロックっぽくて、身長の調整ができる・・・そんなワガママ条件を全て満たしてくれたのはラバーソウルでした。
歩くのが下手な媛の足には底は厚いけれどヒールのように傾きがないラバーソウルはとても履き心地の良いものでした。
パンツファッションにはラバーソウル、とぼんやり決まってしまったのでその後はスニーカーに手を出すことはなく、ラバーソウルをひとつ履きつぶすたびに新しいラバーソウルを買って、の繰り返しだったのです。
厚底靴のことは、いつしか意識から遠のいていたようでした。
厚底靴との再会。
靴底といえば薄いのがスタイリッシュとされるようになってもう何年たったのでしょうか。
それが当たり前になり過ぎていた昨年あたり、急にゴツゴツとした厚底靴をあちこちで見かけるようになりました。
ローファーからブーツから、どんどんそれは広まっていきます。
媛は20代の時とは違って自分に自信もつき、どんな服にでも挑戦できるような伸びやかなファッションヲタに成長しました。
冬のバーゲンセールでさぁ靴を探そう、と思い立った時昔懐かしいR&Eさんでこの靴が目に飛び込んできました。
足首まですっぽりと隠れる薄くて柔らかいスエード素材が女性らしい厚底ブーツです。
試しにはいてみるととても背が高くなったように感じてびっくりしたのと、スエード素材が足を細く見せてくれることに気が付いてうれしい気持ちになりました。
媛は「女子大生だしもう厚底靴ははけない」なんて思っていたことすら忘れて、ニコニコとこの靴を自分の家にお迎えしたのです。
普段使いでどこにでもこのブーツを履いていきますが、カラーが黒なのでファッション全体を引き締めてくれていい具合です。
もちろん遊び心で、以前紹介したギャルブランドのアシンメトリーニットにこの靴をコーディネートしてみたりもします。
この厚底ブーツをはいて、すっかり厚底靴が好きになりました。
春からも、厚底靴。
この厚底ブーツですっかり味を占めた媛は、春も厚底靴を続けてはきたいと思うようになりました。
「明るめの素材で、ブーツと同じくらい底が厚くて、できればバイカラーで・・・」
媛は好きなアイテムほどこだわりが増えます。
このような妄想をしまくっていたら、こんな出会いを引き寄せることができました。
バイカラーで底の部分も色が違い、後ろのジッパーも持ち手にデザインが効いているおしゃれな春らしい明るい色合いの厚底靴です。
見た瞬間電気が走ったように「これだ!!」と思いました。
試着したところ、誂えたように媛の足にぴったりです。
これもご縁だと、仕事の打ち合わせ前だというのに購入してしまいました。
靴の入ったショップバッグを持ちながら、冬なのにココロが春のように弾んだのを覚えています。
皆さんは、どんな靴が好きですか?
媛は、厚底靴がこの上ないほど大好きです。